緑の髪の、小さな少女。リディア。
当てもなくふらふらと歩いているように見えて、ちゃんと興味のあるものを探している。楽しそうに店を見回って、時々長く眺めては他に視線を移す。
小さな体の動きに、僕は自然に笑みを零した。
そのリディアの目が、体が、ある一点で完全に停止してしまった。どうしたのかと彼女の視線の先を見ると、小さな雑貨屋が佇んでいた。
「何か、欲しいものがあった?」
「え?……えーっと…」
俯いて、恥ずかしそうするリディアは、何でもない、と答えた。
でも、彼女の目線で大体の見当はついた。
ショウウィンドウに飾られている、可愛い髪飾り。リディアの髪によく合いそうな、子供らしい黄色い花の飾りだった。
僕は何も言わずにその雑貨屋に入った。リディアは慌てて後を追ってくる。
主に頼んで表の飾りを取ってもらうと、驚いた表情の少女と目が合った。
どうして、と問いかけるような目に、僕は微笑んで。
「リディアに、似合いそうだと思ったから」
そう言うと、リディアは一瞬きょとんとして、すぐに嬉しそうな顔になった。ぴょこぴょこと跳ねて喜ぶ彼女を落ち着かせ、その髪に黄色の花を飾る。
店を出て、はしゃいで走っていく少女は、途中ではっと気づいて振り返る。
「ありがとう」
リディアは手を振って、こちらに無邪気な笑顔を向けた。
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